【個人塾経営者の悩み】塾を辞める原因は?退塾を防ぐ方法も紹介
個人塾を始めたんだけど、退塾しますって言われて…
塾を辞めるのって、仕方ないところもあるんだけど悩んでしまうよね。
個人塾を経営するにあたって避けられない問題は「退塾」です。卒業シーズンで円満に退塾してもらえるのはありがたいことですが、そうではないケースも多々あります。
この記事では、僕が経験してきた退塾の原因や防ぐ方法、心の保ち方について紹介します。
塾を辞めてしまう原因
結論から言うと、退塾の絶対の原因は「成績を上げられない」からです。
「講師との相性が合わない」や「仲のいい友達がいない」などを理由に辞めていく子どももいますが、結局は「成績が上がらない」から塾を辞めてしまうのです。
教師を辞めて塾を始めた人の中には学校で働いていた時よりも子どもたちがより楽しく、のびのびする教育をしたいと思っている人も多いでしょう。
僕も同じです。僕の塾を選んでくれた限りは勉強が楽しく、塾に来るのが楽しみになるような一種フリースクールのような学びの場を想像していました。
確かに、そのような場を求めて入塾してくれる子も当初は多かったのですが、どんどん辞めていきました。
理由は成績が全く上がらなかったからです。
塾の評価はテストの点数ありき
塾が評価される最もわかりやすい基準がテストの点数です。
それ以外の「授業のわかりやすさ」や「立地の良さ」の評価軸はテストの点数が上がるという評価があってこそです。
塾に通わせるかどうかの最終判断は子どもではなくて、親が判断します。だから、楽しく塾に行っていたとしても点数が上がらなければ、塾に行かせる意味がなくなります。
今の学力重視の学校観が嫌で、もっと子どもの多様性を認めてあげたいと思い、教師を辞めたいと思っている人にとって塾はおすすめできません。
現場よりも学力を伸ばすことがより求められるので、塾ではなくてフリースクールや学童などの転職、起業がおすすめです。
退塾を防ぐためにできること
退塾を防ぐためには、「入塾金を設定しておく」や「退塾を申し出られた際に面談をする」が考えられます。
しかし、どちらも対処療法であり、本質的ではありません。僕が考える退塾を防ぐ方法は以下の2つです。
- 入塾する前に体験授業・面談を実施する
- 入塾後も保護者とのコミュニケーションを密にとる
詳しく解説します。
入塾する前に体験授業・面談を実施する
成績が上がらない理由の1つとして、僕は授業者と生徒の相性の不一致で生じると考えています。
どれだけいい授業をしようと、良い課題をだそうと本人がやる気にならなければ意味がありません。
僕の塾では、入塾する際には体験授業を実施しています。そこでなんとなく塾側と生徒側の相性がわかります。
相性が悪いなとおもったら、入塾したとしても私語が多かったり、宿題をやってこなかったりとトラブルに繋がることもあるよ。
体験授業で問題がありそうだと感じた場合は、三者面談を行うようにしています。
例えば授業に集中できていなっかた場合は、入塾する前に伝え、本当に塾に入って頑張れるのかを話し合うようにしています。
そうすることで、後々起こるかもしれない問題を先に潰すことが可能です。
入塾後も保護者とのコミュニケーションを密にとる
保護者とのコミュニケーションを密にとることは当たり前のようでなかなか難しいです。
塾生が50人なら、50人の保護者がいて、全員と密に連絡を取るなどは実質不可能です。
連絡した方が良いタイミングは以下の4つです。
- 無断欠席した
- 遅刻が続いている
- 成績が落ちた(上がらない)
- 宿題をやってこない
上記の行動が見られる場合は退塾を検討している可能性が高いです。早めに連絡をして、面談などを実施しましょう。
連絡を取らずに放置しておくと、授業料が支払われずに勝手に辞めていく可能性もあります。
それでも退塾してしまった時は…
「いろいろ対策したし、精一杯頑張って、子どもにも保護者にも向き合ってきた!」
のに、退塾をしてしまった場合、僕は「相性が悪かった」と思って諦めるようにしています。
最初から「辞めても仕方ない」で終わらせると、すべて相性の問題になってしまいます。
だから「もっとやれたことはなかったかな」と考えるようにしていますが、すべて抱えて「自分のせいで成績が伸びなかった」「自分のせいで辞められた」となると病んでしまいます。
教員時代と違って、個人塾はすべて自己責任ですが、追い詰めすぎるとメンタルによくありません。
下手をすると教員時代よりプレッシャーを感じることもあるでしょう。そん時はアドラーの名言を思い出します。
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。」(アドラー)
自分の責任のラインを明確にして、最大限努力をしつつ、無理なものは無理と割り切る勇気も持ちましょう。