公立高校教員を辞めた僕
起業・塾経営

塾が不登校に対応していくべき理由と注意点!選ばれる塾になるために

rohasulifeyouta@gmail.com
くま
くま

最近、不登校の子の入塾希望が多いんだけど
きちんと対応できるか不安で…

めがね先生
めがね先生

不登校は多くなっているからね!
塾も不登校対応の塾が多くなってきてるよね。

令和4年度の調査では、不登校の数は小中学校だけで約19万人います。

ちなみに令和2年、3年、4年で13万人→16万人→19万人と増加しています。

小学校では60人に1人、中学校では17人に1人の割合です。

この記事では、塾が不登校に対応していくべき理由と注意点を解説します。

また、個人塾はどのような取り組みをしていくべきなのかも合わせて解説します。

アドセンス

そもそも不登校が起こっている要因は?

不登校が起こっている要因には、何があるのでしょうか。

文科省の調査によると

令和6年3月に公表された「文部科学省委託事業不登校の要因分析に関する調査研究報告書」によると、不登校の要因について、教師、児童生徒、および保護者に対してアンケート調査が行われました。

文部科学省委託事業不登校の要因分析に関する調査研究報告書の不登校の要因

体調不良不安・抑うつ居眠り、朝起きられない、夜眠れないといった心身の不調や生活リズムの乱れに関しては、児童生徒や保護者の約7~8割がこれを要因として挙げている一方で、教師の回答割合は2割弱と低い結果でした。

学業の不振宿題の提出については、教師、児童生徒、保護者の三者で回答割合が比較的近い値を示しました。

いじめ被害教職員への反抗・反発教職員からの叱責に関しては、教師と児童生徒・保護者の間で回答割合に違いが見られました。

学校に余裕がない

多くの学校は、教育現場での多忙さや人手不足によって、個々の生徒に対する十分なケアが難しい状況にあります。

特に以下のような要因が、この問題をさらに深刻化させています。

  1. 教師の業務過多: 教師は授業の準備や指導だけでなく、部活動の指導、保護者対応、さらには行政への報告業務など、多岐にわたる業務を抱えています。このため、一人ひとりの生徒に寄り添った指導やケアを行う時間が限られています。特に、不登校児童に対しては個別対応が求められるため、その対応に時間と労力がかかることが、さらに負担を増やしています。
  2. 教員不足: 教員の数が十分でない場合、1クラスあたりの生徒数が多くなり、教師が一人ひとりの生徒に目を配ることが難しくなります。特に都市部や過疎地では、教員の確保が困難であり、結果的に教育現場の負担が増大しています。
  3. 専門的サポートの不足: 不登校の原因は非常に多様であり、心理的な問題や家庭環境の影響など、専門的な知識が必要なケースも少なくありません。しかし、学校には専門のカウンセラーや心理士が不足していることが多く、十分なサポートを提供できない状況があります。

価値観の多様化

現代社会では、子供たちの価値観やライフスタイルがますます多様化しています。

この変化は、学校教育に対して大きな影響を及ぼしており、以下の点が不登校の要因として挙げられます。

  1. 個性の尊重と教育のミスマッチ: 現代の子供たちは、自分の個性や興味を尊重されることを強く望む傾向があります。しかし、学校の教育方針は依然として画一的であり、一律的なルールやカリキュラムに従うことが求められる場面が多いです。このギャップが、学校生活に対するストレスを生み、不登校の一因となることがあります。
  2. 家庭環境の変化: 共働き家庭の増加や核家族化が進む中で、家庭内での教育や価値観の多様化が進んでいます。その結果、学校で求められる行動規範や価値観が家庭での教育と合致しないことがあり、子供たちが学校生活に違和感を覚えるケースが増えています。
  3. 社会的要因の影響: SNSやインターネットの普及により、子供たちは多様な情報や価値観に触れる機会が増えています。これにより、学校外での活動や人間関係が重要視されるようになり、従来の学校生活に対する意義を見出しにくくなっている子供たちもいます。このような背景の中で、学校に通うことへの意欲が低下し、不登校が増える傾向にあります。

塾が不登校に対応していくべき理由

不登校に対応する塾の役割は、今後ますます重要になっていくと考えられます。

その理由について、以下の点から説明します。

これからも不登校は増え続ける

近年のデータを見てもわかるように、不登校児童生徒の数は年々増加傾向にあります。

令和4年度には小中学校だけで約19万人が不登校となっており、この数は今後も増え続けることが予想されています。

現代社会では、子供たちが抱えるストレスや学校環境とのミスマッチが、さまざまな要因から強まっており、不登校が珍しい現象ではなくなっています。

このような状況下で、塾が不登校児童に対応することは、子供たちの学びの機会を保障するために不可欠です。

学校に行けない状態でも、学習を続けることで将来の選択肢を広げることができ、また、自己肯定感の維持にも繋がります。

通信制やフリースクールの補完的役割

不登校児童の増加に伴い、通信制高校やフリースクールなどの選択肢も増えてきています。

しかし、それだけでは全ての子供たちに十分なサポートを提供することが難しいのが現状です。

通信制やフリースクールは柔軟な学習スタイルを提供しますが、そこでも学習の進捗が遅れたり、個別のサポートが不足することがあります。

塾が補完的な役割を果たすことで、子供たちがより充実した学習を行えるようになります。

塾では、個別指導や少人数での授業を通じて、生徒一人ひとりに合った学びを提供することが可能です。

また、家庭教師的なサポートを提供することで、通信制やフリースクールで不足しがちな部分を補完することができます。

塾が不登校に対応するときに注意すべき点

不登校の子供たちを受け入れる際には、塾がいくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

子供たちが安心して学べる環境を提供し、塾としての役割を果たすことができます。

支援が必要な子を受け入れる際は特別支援系の知識が必要

不登校の児童生徒の中には、ADHDや自閉症などの発達障害を持つ子供も少なくありません。

これらの子供たちは、通常の授業や指導だけではなく、特別な配慮や対応が必要です。

そのため、塾としては特別支援教育に関する基礎的な知識を持っていることが重要です。

例えば、ADHDの子供には短い集中時間を意識した指導や、具体的な目標設定が有効です。

また、自閉症の子供には、視覚的な支援や予測可能な環境を提供することが求められます。

塾も来たり来なかったりするので月謝のルールを決めておく

不登校の子供たちは、塾にも毎回確実に来るとは限りません。

そのため、月謝に関するルールを明確に設定しておくことが重要です。

具体的には、以下の点を考慮する必要があります。

  • 月謝の支払いルール: 子供が塾に来なかった場合でも、月謝の支払いが必要であることを明確に伝える必要があります。塾としては、その時間を確保しているため、授業の有無にかかわらず料金が発生することを保護者に理解してもらうことが大切です。
  • キャンセルポリシー: 特定の期間内に連絡があれば振替授業を提供する、または一定回数までの欠席は振替なしでも月謝が発生するなど、柔軟なルールを設定することも検討できます。

塾側と保護者の間でのトラブルを避け、健全な運営を維持することができます。

塾の役割を明確にしておく

不登校の子供たちを受け入れる際には、塾の役割を明確にしておくことが不可欠です。

塾はあくまで学習をサポートする場所であり、フリースクールとは異なる役割を持っていることを、保護者や生徒にしっかりと伝える必要があります。

勉強を中心としたサポート: 塾は、学習を中心としたサポートを提供する場所であり、学校生活や人間関係のケアなど、教育全般を支援する場ではないことを理解してもらうことが重要です。

学習の目的: 不登校の子供たちが塾で何を学びたいのか、明確な目標を設定することが重要です。例えば、テストの点数を向上させたいのか、学校に行けなかった期間の補習をしてほしいのかなど、目的に応じた指導を提供する必要があります。

不登校から選ばれる塾になるための取り組み

不登校の児童生徒から選ばれる塾になるためには、塾としての取り組みを工夫し、彼らのニーズに応えることが重要です。

以下に、具体的な取り組みをいくつか提案します。

個別指導の時間を作る

不登校の子供たちは、学校に通えなかった時間の遅れを取り戻すためや、自分のペースで学習を進めるために、個別のサポートを必要としています。

塾が個別指導の時間を設けることで、以下のようなメリットがあります。

  • 個別の学習計画: 一人ひとりの学力や進度に応じた学習計画を立てることで、効率的に学力を向上させることができます。
  • 精神的なサポート: 個別指導では、生徒とのコミュニケーションが密になるため、学習だけでなく、精神的なサポートも提供しやすくなります。
  • 柔軟な対応: 不登校の子供たちは、日によって体調や気分に変動があることが多いため、その日の状況に応じて指導内容を調整することができます。

広域通信制と提携する

広域通信制高校や中学と提携することで、塾はさらに多くの不登校の子供たちに対応することが可能になります。

めがね先生
めがね先生

僕の塾は通信制と提携しているので、高卒資格も取ることが可能です。

通信制の学校は、柔軟な学習スタイルを提供しているため、塾がこのような学校と連携することで、以下のような利点が得られます。

  • カリキュラムの一貫性: 通信制学校のカリキュラムと塾の指導内容を連携させることで、生徒が一貫した学びを得ることができます。
  • 卒業資格の取得サポート: 通信制学校を通じて正式な卒業資格を得ることができるため、塾はその学習サポートを行い、生徒がスムーズに卒業を目指すことができます。
  • 学習の補完: 通信制学校では手薄になりがちな部分を塾が補完し、より質の高い教育を提供することができます。

日中にフリースクールを併設

フリースクールを日中に併設することで、塾が不登校児童生徒に対する総合的な支援を提供することが可能になります。

フリースクールでは、通常の学習だけでなく、さまざまな活動や社会的スキルを学ぶ場として機能します。

  • 柔軟な学習環境の提供: フリースクールは、生徒が自分のペースで学べる環境を提供するため、学校に馴染めなかった子供たちが学び直すのに適しています。
  • 社会的スキルの育成: 学習以外にも、コミュニケーション能力や自己管理能力を育てるためのプログラムを提供することで、生徒が将来に向けて自信を持てるようサポートします。
  • 連携した学習サポート: フリースクールでの活動と塾での学習を連携させることで、子供たちがバランスの取れた教育を受けられるようにすることができます。

まとめ

不登校の増加に伴い、塾が果たすべき役割はますます重要になっています。

不登校児童への対応では、特別支援教育の知識や月謝のルール設定、塾の役割の明確化が必要です。

また、個別指導や広域通信制との提携、フリースクールの併設など、子供たちのニーズに応える取り組みを行うことで、選ばれる塾になることが可能です。

塾として、不登校児童が安心して学べる環境を提供し、彼らの学びを支える存在としての価値を高めていくことが求められます。

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ABOUT ME
めがね先生
めがね先生
塾経営 / webライター
田舎の塾を個人経営しながら、webライターの会社も経営している。 高校教員として正規採用されて7年働くも、2023年に退職し起業。起業1年目、塾のみで月50万円の利益を達成する。
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