識別の第一歩!古典文法「ぬ」の識別を解説
古典文法の勉強を始めた人が、まず初めにマスターしたい識別は「ぬ」です。文章の読解においては非常に重要となります。
「ぬ」は、大きく分けると打消と完了の助動詞の2つしかありません。打消と完了を間違えると全然違う意味になってしまいますね。
- 打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」
- 完了の助動詞「ぬ」の終止形「ぬ」
古典文法が嫌だなと思う人でも簡単に見分ける方法を教えるので、ぜひ参考にしてください。
前にくっついている言葉に注目!
古典文法が全くダメという人でも、ざっくり説明すると以下のとおりになります。
例えば、「風立たぬ」と「風立ちぬ」という文があったとすると、
風立た(ta)ぬ→a+ぬ→打消(100%)
風立ち(ti)ぬ→i+ぬ→完了(かも)
と見分けます。この方法で打消のパターンは絶対に見分けられます。ただし、完了かどうかは確定できません。
厳密に言うと、上記の図は下の表のようになるからです。
打消にはまだ起こっていない事柄を指し示す未然形がくっつき、完了には連用形がくっつきます。
未然形にはa段の音が多く、連用形にはi段の音が多いので、ざっくり見分けられるのですが「見ぬ」「起きぬ」などの場合に困ります。
古典文法を学んでいる人には簡単かも知れませんが、「見」は上一段活用で、「起き」は上二段活用となります。
「上一段」「上二段」の2つの動詞は、未然形と連用形が同じi段なので、打消か完了かわかりません。
「上一段」「上二段」の他にも、「下一段」「下二段」「カ変」「サ変」などは、そもそも未然形と連用形がa段とi段ではありません。
後ろの語句もチェック!
未然形か連用形かは「ぬ」の後ろにくっつく言葉によって決まります。
起きぬこと(体言)→ぬは連体形となる→打消
起きぬ。(句点)→ぬは終止形となる→完了
後ろに体言や連体形接続の語句が来ているならば打消となり、「。」や終止形接続の語句(「べし」など)が来た場合は完了となります。
結局、正確に識別するとなると、活用の種類と活用形の勉強は必須です。コツコツと頑張りましょう。
まとめ
古典文法を学ぶ際に重要な「ぬ」の識別方法について解説しました。以下のように識別を行いましょう。
打消の「ぬ」は未然形に、完了の「ぬ」は連用形に接続します。基本的には、前の語の音に注目し、a段なら打消、i段なら完了と判断できますが、「見ぬ」や「起きぬ」など一部の動詞では注意が必要です。
また、後続の語句も参考にし、体言や連体形接続なら打消、句点や終止形接続なら完了と見分けましょう。